うつに効果的なカウンセリングとは
うつに効果的なカウンセリングとは
今回のお話は、これまで、うつでお悩みの方・引きこもりでお悩みの方、統合失調症でお悩み方、そのご家族様と寄り添う中で見えてきたことから構成されています。
うつ病は、気分障害の一種であり、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥(しょうそう)、食欲低下、不眠、持続する悲しみ・不安などを特徴とした精神障害であると言われています。
一般的に、うつ病になる原因はひとつではないと言われています。
基本的な治療方法として、厚生労働省が運営している
ホームページ「こころの耳」では以下のように書かれています。
引用:厚生労働省HP「こころの耳」
「うつ病を引き起こす原因はひとつではない」ので、休養と薬物療法のみでは治療できません。抗うつ薬で環境要因は解決しませんし、ましてや性格傾向も変わりません。精神療法・カウンセリングは主に再発予防という観点が中心となります。同じような状況の中で、うつ病が再燃・再発しないように、ご自身の思考パターン・行動パターンを見直すということになります。
一体どのようなカウンセリングを行うことがうつ病で悩む方にとって効果的なのか?
当院では、その一つの答えとして「生きがい」や「自信」が影響しているのではないかと考えています。
当院を受診された患者様たちは、カリキュラムを進めていくなかでやりたいことや、何を行うのが自分にとっての喜びなのか、自然と発見していくことがあります。
「明るい未来を自然と感じる」というアプローチは、患者さまが前向きになるだけでなく、寛解の方向への道しるべになります。
当院は、「うつ病になるのは本来元気な人」と捉えており、真面目でパワーがあって元気な人が、自分を強く責めるとうつになる傾向が高いように思います。
これまで見てきたケースですと、例えば、うつで悩み、引きこもっている方は、引きこもりながら自分のいきがいや自信を持てることを探しているケースがあります。
うつになる人は優秀な人が多いです。
そして、仕事や何かしらの理由で希望が持てない状況に直面したときに、トリガーが引かれ、うつになるケースもありますが、潜在的な元気な状態であると言えます。
まじめに一生懸命やって、何かに打ちひしがれてうつなるケースは非常に多いです。
その際に大切なのは、カウンセラーの姿勢です。
ご本人様と接する際に、「相手の本来の素晴らしさ」を見つめながらカウンセリングするのと、偏見を持って接するのでは全く効果が変わってきます。
では、一体、どのようにすれば、ご本人様は生きがいを感じるのでしょうか?
もちろん、「生きがいを持ちましょう」「自信を持ちましょう」といった投げかけでは、症状の緩和は望めません。なぜならば、それだけで楽になるのであれば、
とっくに解決しているからです。
実はそのように思いたくても思えない、抜け出せないのは理由があります。